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拡大する「リアルワールドエビデンス」の影響力

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世界のリアルワールドエビデンス (RWE) ソリューションの市場規模は、2028年までに651億ドルに達し、予測期間、年平均成長率8%で増加すると推測されています。

RWEは、意思決定を支援し、また患者の転帰の最適化を支えることができ、日本の医療従事者や研究者の中でも重要度が増しています。

RWEは、患者に対する調査、電子カルテ、観察研究など、臨床試験以外でも活用されています。このデータは、治療や医療行為などの介入が実際の現場でどのように実施されているかを調べるために使用でき、「薬、治療、患者の転帰に関する貴重な情報を提供する可能性を持っています。」(Dr. Stephen Jones、2020年8月29日、Pharmacy Times)

プロスペクション社のCEOであるEric Chung氏はこう説明します。「RWEは、治療方法が現実世界でどのように使われているかというエビデンスに基づく洞察を提供するので、医療従事者が患者のケアについて十分な情報に基づいた意思決定を行うのに極めて重要です。」 また、RWEは、最も効果的な治療法を決める際に、これまで特定されていなかった潜在的な安全性の問題や薬物の相互作用を特定する上でも非常に有効です。John Nairn博士は「RWEは製薬業界に革命をもたらしており、企業は医薬品開発やマーケティングにおいてより多くの情報に基づいた意思決定を行うことができます」と語ります。(Dr. John Nairn、2020年8月18日、Pharmaceutical Journal)

日本では、RWEが治療や介入に関連するコストをよりよく理解するためにも活用されています。現在、医療従事者や研究者は、特定の治療や介入が患者にとってどれだけの費用負担になるのか、または「現実の環境における治療の有効性」を判断するために、RWEを使用しています。(Dr. Michela Baccini、2020年7月10日、Pharmaceutical Technology) RWEは、特定の患者にとって何が最適かを判断するために、治療や介入に関する比較を行う際にも活用できます。

RWEソリューションの市場は拡大しており、多くの大手企業が技術投資や、さまざまなパートナーシップを結んでいます。現在、プロスペクション、IBM、オラクル、Medpace、IQVIA、ICON、パーキンエルマー、パレクセル、PPD、サイネオス・ヘルスなどの企業が、RWEを活用してより良い成果を提供し、コストを削減しようと試みています。

RWEは、臨床試験、価格設定、治療診断などの面で日本の製薬業界に大きな影響を与えると考えられており、それを提供・サポートできる企業への需要が高まっています。

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