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元ビジネスマンである医師を雇う方法

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コマーシャルなマインドセット

「一般的に病院で働く医者さんは一般企業では何をやっているかを知らない」とアメリカの大手バイオ医薬品会社のメディカル・アフェアーズ担当者が呟きました。アジアでは医師(MD)の需要が高い一方、製薬業界で働いている医師の質に対する不満もあります。

Morundaは、メディカル・アフェアーズ、薬事監視、臨床開発、人事、マーケティング、 法務など製薬業界の幅広い分野に務めている45名の参加者に電子メールまたは電話でアンケート調査を行いました。そのアンケートでは、「商業的な考え方を持っていることをアピールするために、MDに必要な特徴や経験は何ですか?」と「医師が商業的の考え方を持っているかどうかを知るために、どのような質問をしますか?」 と聞きました。

医師が産業に適応するのと、自分を会社の一員として見なすのが難しいと考えられています。ある医師が同僚と同じ目標を共有ために結構苦労していると言っていました。 ある中規模のアメリカのバイオ医薬品会社のメディカル・アフェアーズ部長が「商業的な考え方」というのは次のように解釈できると述べました:

医師は会社がお金を稼ぐためには従業員に給料をちゃんとあげ パイプラインに投資しなくてはならないと理解するべきです。 開発と医療のための医師が販売に対して直接の/主な責任を持たないと しても、彼/彼女は商業的機能に関して協力する必要があります。 医薬品安全性のための医師は、商業的影響の考慮とは無関係に重要な 決定を下すべきですが、決定を実行する際の悪影響を最小限に抑える ために商業チームと協力する必要があります。

さらに、「商業的な考え方」を持つMDの特徴としては、患者の安全/利益を最優先にしながら、すべての従業員が売上の最大化、または売上への悪影響の最小化に責任があることを理解する能力を持つことだそうです。

あるアメリカの上位5位製薬会社の大手製薬会社で働いているMDによると、彼の会社ではMDを選ぶ基準 に「商業的な考え方」は含まれていないらしいです。むしろ、リーダーシップ と学習機敏性を強調して、「商業的な考え方」よりも下記の基準を 使ってるそうです:

1.科学的能力/実績

2.臨床開発または医療プログラムに適用できる関連する臨床経験

3.臨床研究の経験

4.リーダーシップの潜在能力

5.学習機敏性がある証拠(例えば、新しい状況に適応して上手く機能する能力)

あるマーケディングのVPは違う考え方がありました:

医者は、特にメディカル・アフェアーズ分野では、開発トライアルで成功したた製品を倫理的に商品化するために同僚と協力するのが主な役割なため、科学的信頼性とビジネスの洞察力のバランスを取らなければいけません。メディカル・アフェアーズで成功する医者は、すべて製品の科学的な効果を上手く説明することにより、ヘルスケアの専門家そして最終的には 患者に製品の価値を伝えることができます。

他の答えには「ビジネス洞察力」と「チームワーク」という言葉も出てきました。ビジネス洞察力というのはビジネスがどの働きとう競合の動き、そしてマーケティング戦略、策略などのビジネス用語を理解する能力。そしてこれらすべての要素への関心が必要です。もしそのMD資格を持っている候補者が学術研究に没頭したいのなら、ビジネス洞察力持っていないと言えるでしょう。

ある上海に滞在する人事部長は、患者に対する活動の影響、医師が医療活動を 商業的戦略にどのように統合するか、そして費用を意識して いるかどうかについて探求しようとしています。商業と医療の専門家との対談により、さまざまな概念があることが分かりました。コマーシャルディレクターによると、医者の役割は警察官ではなく、規制当局の指示に従うことだそうです。そしてマーケティングや 販売と協力することで、サポートを提供すべきだと繰り返し述べました。

あるアメリカの特殊医療製薬会社の規制事務部部長によると、新しい会社が新しい治療分野を開発して、そして医療提供者や処方者のネットワークを確立することがすごく難しいそうです。特定の治療分野に必要な専門知識があれば、医師は販売とマーケティングに大量な知識を与えて、新たなチャンスがたくさん増えます。彼女にとって、「商業的な考え方」とは、医療面でマーケット担当者や営業担当者をサポートして、製品の臨床的特徴、有効性、および安全性を説明する能力だと強調しました。一般的には、人が営業より医師からの話を信頼してるでしょう。

あるシンガポール拠点とするアメリカ人のエグゼクティブがビジネストレーニングの重要性を強調しました:

管理/ビジネストレーニングを受けたことにより、商業的な考え方を強く示しています。ビジネス統計やビジネス戦略に強い関心を持っていのも証拠です。ビジネスセンス、コラボレーション、積極性、そしてメディカルガバナンスに関する明確なアイデアを持つことも重要な特徴です。彼らは商業企業の一員であることを理解しなければいけません。医療とマーケティングの間に線を明確に描かれる必要がありますが、製薬会社はあくまでも商業企業です。

15年以上経験を持つ日本の医学博士は、態度と考え方は成功への重要な要素であることを強調しました。 「私の考えでは、商業的に志向は、商業的価値システムを理解する意欲と、プログラムの医学的および社会的価値をユーザーに提供する能力です。」

上海拠点とするヨーロッパの大手医師は、単に「良い科学は良いビジネスだ」と述べた。東京の医療事務局長も同じ意見を持ちました。

商業的な医師は、患者とビジネスにとってそれぞれ何が良いのかを理解しなければなりません。しかし、そのような医師は、ビジネスではなく患者に有利の治療決定を下せるべきです。そして、医科学のデータを活用して医薬品のマーケティングの成功可能性を高めることができるはずです。簡単に言えば、最高のマーケットで最高の患者に最適な薬を見つけることです。

患者を最優先にすれば、商業的な成功がついてくるはずです。そしてビジネスで本当に成功した医師たちは、「一人の患者さんだけのためではない」という考えることができるはずと、あるクリニカルディレクターが説明しました。

商業的な考え方を持つ医師は、開発中の製品だけでなく、商品化されている製品のことも考えます。本当に商業的な医師は、マーケティングや営業などのブランドチームと協力しています。彼らは国際的なブランドチームに参加して、チームの意見もちゃんと聞いています。また、メディカルアフェアーズトライアル(治験依頼者または企業提供)に参加して、治療方法の変更、処方する際に商品の統合と適応の拡大に役に立つデータを作成することで、製品の商品化に貢献します。

MDを科学の領域に

一部の回答者によると、MDを商業ではなく、一番価値がある科学領域にしておくべきだと主張しました。業界で働いているある医師は「基本的に製薬会社の医師は科学的意見を持ち、科学的な決定を下さなければならないので商業的機能で働くべきではない」と述べた。

ヨーロッパのある大手企業のもう一人の医者はこう言ってました:

医師は、臨床開発、ファーマコビジランス、医療業務などの医学科学部門のみで活躍されるべきです。商業的な考え方を持つことは必須ではありません。むしろ、商業的な考え方を強調しすぎると、倫理的/医学的面とビジネス面のリスクと利益のバランスを崩してしまう可能性があります。

あるメディカル・アフェアーズ・ディレクターが、アジアに欧米と違って医師たちに色々な機会があると述べました:

アジアでは、商業向けの医師に期待されることは欧米とかなり違う思います。何人かの知り合いの医師が製薬会社で管理層を務めていますし、実際には商業的に志向していないいくつかの製薬会社の偉い医師の方々を私は何人か知っています。彼らは、発達研究において医師と話し合いまたは議論するために、様々な発達状況において会社を代表する医療専門家であることが期待されています。

何人かは、ほとんどの薬剤師が非常に高いスキルレベルを持っているので、薬剤師は医療に必要なスキルを持っていると提案しました。外国企業は、医療関係の責任者を医師にすべきだということがあります。これは間違っている考え方です!ほとんどのMDは薬剤師のように処方薬の知識を持っていません。

医師をインタビューするときの質問

私たちは何人かに医師にどのような質問を聞いてみるかを聞きました。

医師は商業的なマインドセットありますか。

1.どうやって収益を増やしますか(または、売上への悪影響を最小限に抑えます)。

2.この製品(写真を見せる)が会社にとってのビジネスチャンスを説明してください。

3.x製品事業のサイズは?どの国が売上のトップ3に入っていますか?製品をどのように宣伝すればいいですか?この製品はたくさん売れるでしょうか。

4.現在務めている会社の損益構造を説明してください。どの活動が最も良いROIができますか。

5.a. 実際に薬B(他社の製品)が必要とする患者に薬A(あなたの会社の製品)を処方しますか。     b.会社の売上を伸ばすため、あなた自身の医学的知識をどういう風に使うつもりですか。

予想される答えは: a.いいえ; b.科学的なデータを収集したり、プロダクトメッセージを微調整したりして、患者に最適なものを見つけます。

6.今後10年間にいまだに解決できていない、最も重要な医療の課題は何ですか。

7.将来の治療に適用できる最も興味深い科学的/医学的進歩は何ですか。新薬と現存の治療法との一番大きい違いは何でしょうか。

8.お客さんと会う事に違和感がありますか?「お客さん」という用語に慣れていますか?セールスとマーケティング部と協力で働くことは大切だと思いますか。

9.許可もらった後、または新しい患者群へリーチできた時に、新薬に新しい境地を開くことに参与したことがありますか。

10.研究結果による基礎科学しか説明できない候補者と比べて、どのように新しい治療法や古い薬の新しい使い方に貢献できるのでしょうか。

11.最も成功した製薬会社だと思いますか。その理由は?その会社の中核となる能力は何だと思いますか。

リーダーシップと学習機敏性

1.医師として後輩を管理していますか/管理したことがありますか。どう管理しましたか。

2.医療職以外の指導的地位(学生団体、職業団体、病院委員会、NGO/NPO団体など)を経験したことがありますか。

3.キャリアの中に成功例がありますか。その成果にどう貢献しましたか。

4.あなたにとって、リーダーシップにおいて何が重要だと思いますか。もしある小さいチームのリーダーになったら、どういう風にチームを導きますか。

5.自分の目標を達成するために、自分に反対した人を同意させるようにしたことありますか―どうやって説得しようとしましたか。

6.すべきことをしていない人の相手になったことがありますか。(もしリーダー経験がなければ、病院または研究室にいる他のスタッフに対処することに集中して質問する)どう対処しましたか?

7.キャリアに大きな変化について説明してください。どんな困難に直面しましたか。どう解決しましたか。

8.苦手の人と仕事をしたある経験を説明してください。

9.自分が作った組織内のグループとの関係と組織外のグループとの関係について説明してください。

10.チームで働いた経験について教えてください。どんな役割を果たしましたか。一番つらかったのは何でしょうか。そのつらさをどう克服しましたか。

11.自分の科学的能力を説明してください。主な業績はなんですか。

12.自分の臨床経験について説明してください。その経験をどうやって臨床開発または医療プログラムに活用できますか。

13.臨床研究の経験を説明してください。

14.チームをリードする経験について説明してください。どんなチャレンジがありましたか。

15.新しい環境に適応しなければいけない経験を説明してください。その経験を振り返って、あなた自身について何を学びましたか。

1〜3番は採用決定に左右しませんが、4番と5番は良く使われています。経験上では、欧米と比べて、全体的に日本のMDのリーダーシップ能力が悲しいほど欠けています。これがまさに企業さんがよく使う「商業意識」という特徴で、我々には「リーダーシップと学習機敏性」ということかもしれません。

一般の質問

1.この企業に入社しましたら何をしたいですか。この会社にどう貢献するつもりですか。なぜ製薬業界で働きたいですか。

2.医学的の知識に基づいて、技術的機能を主導する興味がありますか。

3.自分の知識と経験を使って、病院でキーオピニオンリーダー(KOL)グループの創設、管理と指導をすることに興味がありますか。

4.病院での知識と経験での学問的知識レベルを向上させることに興味がありますか?

5.臨床/研究とビジネスの一番大きい違いが何だと思いますか。

6.何を学びたいですか。そしてどのように製薬業界で成長したいですか。

実績

1.過去にあるいくつの実績について説明してください。

2.解決されていない医療問題を組織にとってのチャンスに変える方法の挙げてください。

3.過去に医療部門の資源増加を要求するために、どのように提案したかを説明してください。

4.製品の発売前または新発売の作業に関わったことがありますか。どんな役割でしたか。

5.治療法を探す経験、現存の製薬会社との臨床実務における不満な経験、さまざまな機能で構成される治療チームの管理経験、そしてプロジェクトレベルでゴールを達成した経験について話しましょう。(候補者の解決志向の考え方と商業産業で働くことに対する適性を確認するため)。

概括

アジアで優秀な医療人材の需要が高まっていますので、面接を正しく行うことがこれまで以上に重要になっています。正しい質問をすることが最も重要です。我々のアンケートでは、同じ製薬会社でも医師の役割について様々の意見があることが分かりました。アジアでは医師のサービスを最大限の活用方法について、トレーニングと調整する必要があると思われます。

医師たちは製薬会社が顧客にサービスを提供することを分かってきて、基本的なビジネス礼儀が必要です。医者は病院やクリニックにサービスを提供するチームの一員です。あるクリニカルディレクターによると、医師が90%の時間は聞く練習で、10%は会話練習をするべきだそうです。これはMDの業界で重要な役割を軽視するではありませんが、意見を述べる前にビジネスマンがまず状況を理解する必要があることを強調しています。

アジアの医薬品業界には、偶々業界で働く医師よりも、医師であるビジネスマンを求めています。

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